世界で一番おいしい花
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一冊一冊糸綴じをし、カルトンに布張り。 ハードカバーの豆本シリーズ、最新作です。 紅茶で紙を染め、古書の風合いを出しました。 この緑本には、 「世界で一番おいしい花」(文・絵 楠深海)を収録しています。 黒き衣の導師セイリエンの三番目の弟子、 レイスのお話です。 幅約4.6センチ 高さ約6.3センチ 72p、モノクロ挿絵数枚 ※アンティークの風合いを出すというコンセプトのため、 紙は茶色でごわごわ、ところどころにムラやシミがあります。ご了承ください。 ※作品をイメージした英詩のカードをつけております。 合わせてお楽しみください。 ~「世界で一番おいしい花」英詩カード日本語訳~ 「花言葉って知ってる?」 二番目の兄さまは知ってた。 だけど、一番目の兄さまは知らなかった。 一番目の兄さまは、怒った顔で言った。 「だってここには、花なんてないし」 「それはちがうよ」 ぼくは笑顔で言ったんだ。 「たしかに、この寺院は岩だらけで暗い。草もない。 でも、花はあるんだ。 色とりどりなんだよ。赤、黄色、白、それに紫。 見つけたとき、びっくりした。 これが秘密の入り口。こわがらないで、入ってみて。 呪文を唱えながら、岩の間のすきまを飛び越えて」 ほくす・ぽくす・るみのす! うそじゃなかったでしょ? 色とりどりだね。赤、黄色、白、それに紫 だれが花たちを植えたか知ってる? もちろん、ぼくは知ってるよ。 とってもおいしそうだね。 へんな顔しないでよ。花はほんとにおいしいんだから。 かたくてあまい すっぱくてやわらかい 神秘的で素晴らしい味 これこそ、魔法の食べ物だよ 世界で一番おいしいごちそうだよ! 食べたら、ぼくはとってもとっても幸せになる。 世界中の誰よりもね! ************* ~あらすじ~ 岩窟の寺院に住まうセイリエンの三番目の弟子は、寺院の中では知らない人のいない有名人。 なぜなら、もしゃもしゃ花を食べながら、船から降りてきたから… 「お菓子かと思ったよ」 にこにこ顔で問う師に、花を食べる子は答える。 「ううん、違うよ。これは本当に、食べられる花なんだよ」 母が作る花が大好きなレイスは、閉ざされた寺院の中で、だんだんホームシックになっていって… 「白の癒やし手」「真紅の妃」「黒の舞師」、長編三部作の番外編。 花いっぱいのお話です。